☞「心の丸窓」は心の杜の医師・心理師による心の診療に関するコラムです。
昨今、科学は進歩し、またエビデンス全盛の時代で多くのことが目に見えるかたちで証明され、分かるようになってきたことは誰もが実感できることでしょう。
その中で「精神分析はどこか曖昧でよくわからない、うさんくさい」という印象を持たれる方もいるかもしれません。
フロイトが提唱した無意識の概念は理論や根拠のあるものです。しかし、無意識の存在が精神分析をうさんくさいと感じられる方を納得させられるレベルで科学的に証明されているかというと、現段階ではまだそこには至っていないようです。
しかし、「なかなか証明できないもの=正しくないもの」なのでしょうか?
無意識の存在はこれから証明されるかもしれません。すでに証明されていることや明確にわかっていることだけが真実ではないのではないでしょうか?
そして、まだ明確に証明はされていない無意識を利用した治療である精神分析で多くの方の症状が良くなったり、人生が豊かになったりしていることも事実なのです。
(月河葵 記)